「よいところがない人はいない」「どんな人にも必ず良いところはある」という意見をたまに聞きます。

まったくもってその通りだと思います。
思います、が、人の良いところが目に入らなくなることはよくあります。
その人と関係が悪かったり、いさかいがあったりすると、その人の良いところを探そうと思っても目に入らず、相手のことが嫌いで憎くて仕方なくなってしまうこともあると思います。

でも、人のことを憎んでも不毛です。

人のことを嫌いにならずに、良好で建設的な関係を築こうと思ったら、人の良い点に見るようにこころがけることも一つだと思います。

今日は、人の良いところを見ることのメリットや理由、気をつけるべき点について書きたいと思います。

人の良いところを見るメリット

嫌いな人が多い人生より、好きな人が多い人生の方が、人生は豊かで楽しい

もう、この一文につきるのではないでしょうか?
人の良いところを見ていると、その人のことを好きになったり尊敬しやすくなります。
人の良いところを見る習慣がある人のほうが、ない人にくらべて、周りに好きな人や尊敬する人が増えます。
そのほうが、人生が楽しいのではないでしょうか?

人と建設的で良好な関係を築きやすい

人は、自分にされたことを返す性質があります。
人の良いところを指摘したら、相手も、自分の良いところを指摘してくれやすくなります。
相手の良いところを指摘し、相手の向上の手助けをしたら、相手も同じように返してくれます。
お互いに良いところを向上させて、建設的で良好な関係を築きやすくなります。

人から好かれやすくなる

人の良いところを見ると、相手のことを好きになったり尊敬しやすくなります。
そうしたら、相手も自分のことを好きになったり尊敬しやすくなります。
人は自分のことを好きな人を好きになりやすいですから。

自分の成長につながる

小説家の吉川英治は著書の中で、「我以外皆我師」(自分以外のすべての人は、自分の師匠)と書きました。
どんな人にも、優れたところはあります。学んだり盗んだりすることができるところはあります。
人の良いところを見る人は、人のよいところを学んだり盗んだりして、自分の成長に役立てることができます。

憎悪の感情にとらわれない

人のことを嫌ったり、憎むと、その感情に長くとらわれてしまうことがあります。
相手のことが頭から離れず、長い期間囚われてしまうことがあります。
そうならないようにするうえで、人のよいところを見る習慣は有効なように思います。

人のことを憎むと、その人にとらわれてしまう。

「嫌い」という感情との付き合い方

「人を憎んでもなにも生み出さない」という言葉を聞きますし、そのとおりだと思います。
ただし、「人を嫌うことは良くない」といって蓋をするのではなく、人を嫌うことはなぜいけないのかを考えることも一つだと思いました。
「人を嫌わない人になる」ことは現実的ではないとしても「人を嫌う」ことにとらわれない人を目指すことはできると思います。

(なぜ人を嫌うのか?)先に相手を嫌うことで、心のダメージを減らすことができる。

自分のことを嫌っている人、または自分を嫌いになりそうな人を先に嫌うことで、嫌われることに対する心のダメージを減らすことができます。
相手のことを嫌い、バカにし、見下すことで、相手の態度や悪口からくる心のダメージを減らすことができます。
これは一つの技術であり(心理学でいう合理化)、別に悪いことではありません。

ただし、技術はしょせん技術、つまり手段であることを忘れてはいけないと思います。
相手のことを嫌うのは、自分の心を守るための一時的な技術であり、目的ではないのです。
好き嫌いの感情に振り回されて、相手に対して悪意ある言動を行ったら本末転倒です。

ある程度自分の心が回復したら、相手の好きになれない部分と、相手の良いところを見極めるほうが良いと思います。
繰り返し書いているように、どんな人にも良いところはあります。
嫌いな人でも、良いところをちゃんと見つめることで、相手との関係改善につながる場合もありますし、関係改善にいたらなかったとしても、健康的に、敬意をもって距離を置くことができます。

(上手な距離の取り方)敬意をもって、距離を置く。

いろいろな理由で、ある人と距離を置きたくなるときがあると思います。
そのとき、その人を排除しようとして悪口や陰口を言ったり、バカにしたり見下したりすると、状況が悪化し大きなトラブルになりうることもあります。

人と距離を置くにしても、相手の良いところを認めた上で、距離をとることをお勧めします。日本語で言う、「敬遠(敬して遠ざける)」です。相手のことをバカにしたり見下したりするのではなく、相手への敬意を持つことで、状況をひどくすることを防ぐことにつながりますし、もしかしたら関係改善のきっかけにになるかもしれません。

「嫌い」という感情に振り回されないために、紙に書く。

嫌いで嫌いで仕方ない人がいるとしたら、紙に書くことをおすすめします。
どういうところが嫌いなのか?なぜ嫌いなのか?
書いて書いて書きまくるのです。心の中の膿を出し切るように、書き切ることで、嫌いな人を考えたり悩んだりすることから解放されるのかもしれません。
残念ながら「嫌い」という感情にとらわれているうちは、相手のことを考えることから離れることが難しい場合があります。

人の良いところを見るときの注意点

人の良いところを見る習慣を持つと、人のことを好きになりやすくなります。
人を好きになることは、良好な関係を築くことにつながるのでとても良いことです。良い事です、が、「好き」という感情に振り回されるのもよろしくないので、「好き」という感情との上手な付き合い方も私なりに下に書きたいと思います。

自分のことを嫌っている人を肯定しても、自分を否定するわけではない。

自分のことを悪く言う人を肯定したり、好きであり続けることは難しいことです。
でも、相手に嫌われり悪口を言われたからと言って、こちらも相手を嫌ったり悪口を言い返してせっかくの関係性を放棄するというのは、もったいない気がします。

人には様々な面があります。ある人の一部を肯定したからと言って、その人のすべてを肯定するわけではありません。
同時に、その人の一部を嫌ったからと言って、その人のすべてを嫌いになる必要はありません。

自分の悪口を言う相手を肯定することは難しいでしょう。でも、それ以外の部分に目を向けると、相手にも良い部分が必ずあるのだと思います。
相手を無理に嫌う必要はないです。
同時に、相手のすべてを好きになって肯定する必要はないのです。自分の悪口を言う相手を無理に肯定して、落ち込まないでも良いのです。

好きになっても、時に離れる。

「恋は盲目」という言葉があります。人を好きになることは良いことですが、相手を好きすぎて、自分の頭で考えることをやめて相手の言うことをなんでも聞いてしまったら、良くない結果に至ることもあります。

いい意味で、離れることもときに必要です。支配したり依存したりするのではなく、自立した関係を築くことです。
距離を置くことで、建設的で良好なパートナーシップを築けることもあります。

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